睡眠の質にもっとこだわりを!

十分な睡眠は健康の基礎の基礎。しかし、忙しく、夜型の生活形態が定着している現代にあって、睡眠時間は不足気味。現代人にとっては、限られた時間でもより深く眠れ るよう、睡眠の質を高めることが大切です。その不調はもしかすると眠りの質に原因があるかもしれません。

睡眠の役割

「体」を休める眠りと「脳」を休める眠りがあります

睡眠には、大きく分けて「体」を休める眠りと「脳」を休める眠りの2種類があります。体の眠りは「レム睡眠」と呼ばれ、体は休んでいますが、脳は働いていて、記憶の整理などの情報処理をしています。夢を見るのはこのとき。「脳」の眠りは「ノンレム睡眠」というもので、脳が眠る代わりに体は成長ホルモンの分泌や免疫機能を働かせ、疲れを癒しています。一晩のうちにこの2つを繰り返しながら、体と脳を交互に休ませ、翌日の活動に備えているのです。つまり、「よい眠り」とは両方の眠りを充分にとれることといえます。

よい眠りの条件
限られた睡眠時間…睡眠の質を高めよう!

必要な睡眠時間は個人差があるため、何時間寝ればよいとはいえませんが、長く寝ていればよいというわけでもありません。大切なのは、睡眠時間を確保する努力をしたうえで、睡眠自体の質を高めること。眠りの質を高めることができれば、自分にとっての最短の睡眠時間でも翌朝すっきりすることができるのです。

スムーズな入眠
眠りの質の鍵となるのは、入眠時の自律神経の状態です。自律神経の交感神経と副交感神経の均衡が取れた状態よりやや副交感神経が優位な時が入眠しやすい状態です。スムーズな入眠は上質な眠りをもたらしてくれるのです。

眠る時間帯
夜10時から夜中の2時は、副交感神経がもっとも活発に活動し、日中の活動で傷ついた筋肉や内臓を修復したり、肌などの新陳代謝を促す成長ホルモンが大量に分泌されます。また、副交感神経の働きにより、昼間たまった老廃物が処理され、栄養が消化され、体の各部に栄養が蓄えられるため疲れが癒されます。したがってこの時間帯に眠っていることが質のよい睡眠の条件となります。

睡眠と疲労回復
人間の健康にとって眠りは非常に重要な位置を占めます。寝不足だと頭がぼんやりして集中できないのはもちろんのこと、疲れが取れず、だるい一日を過ごすことになります。
眠っている間は副交感神経の働きが活発になり、消化吸収を促し、老廃物が排出されますが、眠りが浅いとこの働きが弱くなり、いつまでも老廃物が体内に残ることになり、だるさを引き起こすのです。

睡眠とダイエット
睡眠中は、体脂肪を分解し、ブドウ糖へと変えるコルチゾールというホルモンの分泌も高まります。つまり、睡眠不足は肥満防止の大敵。
コロンビア大学の研究では、7~9時間眠る人に比べると4時間以下しか眠らない人は73%も肥満になりやすいという結果が出たそうです。

睡眠と糖尿病
睡眠時間が長すぎても短すぎても糖尿病になりやすい!?
最近の国内の研究によると、糖尿病は、睡眠が6時間以上8時間未満でもっとも少なく、6時間未満や8時間以上だとその3~5倍だったそうです。

睡眠と美肌
睡眠中には、ダメージを受けた肌を修復してくれる成長ホルモンが分泌されます。適切な時間帯に深い睡眠がとれないと、この成長ホルモンが充分に分泌されず、荒れた肌は回復しないまま、次々に傷が蓄積されてしまいます。
高価な化粧品を使って、念入りに肌のケアをしても、質のよい睡眠がとれていなければ意味がありません。

睡眠と育毛
肌同様髪の毛も、睡眠の質が低下し成長ホルモンの分泌が不足すると、栄養不足で成長が妨げられてしまいます。特に毛髪は、体に「生きていくためにはそれほど重要ではない部分」と見なされており、睡眠不足・栄養不足の時には真っ先に見捨てられるため、体が弱った時にすぐさま影響が出ます。
遅くとも24時までには休み、副交感神経が活発に働く質のよい睡眠をとりたいものです。

質のよい睡眠のためには…

・ 毎朝決まった時間に起きる習慣をつける―たまの朝寝坊も2時間程度に―
体内には生物時計という時間を刻んでいるシステムがあり、体の様々な機能を制御している。このリズムが狂うと、いわゆる時差ボケ状態をもたらし、睡眠の質も低下してしまう。

・入眠の2時間前にはリラックスを心がけ眠りに入る準備を
リラックスの方法はひとそれぞれだが、アロマ精油やハーブの利用もその一つ。
さまざまな方法の中から、「自分が心地よいと感じリラックスできるもの」を選びましょう。

規則正しい生活のリズムを保つことはもちろん、時にはハーブやサプリなども上手に活用しながら睡眠の質を上げる。
これが一日を元気にスタートするコツといえそうです。

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